一般社団法人 全国パーキンソン病友の会
愛知県支部
(愛知県パーキンソン病友の会)

「心が微笑む日まで」

会長 黒岩 芳彦

友の会に入会して、もう6年になります。

あの頃の私は、今よりもずっと心も体も下を向いていました。何をしても楽しくなくて、明日の事なんて考えられない日々でした。


「このままではいけない」

そんな思いだけが、私をかろうじて前へと押していました。そんな中で私が始めたのは…鏡の前で笑うことでした。楽しくないのに、嬉しくもないのに、とにかく笑顔をつくってみる。最初は、気持ちと表情がまるでちぐはぐで、「気持ち悪い」とさえ感じていました。


でも不思議なことに毎日続けているうちに、脳が少しずつ騙されていったのです。脳が「今、笑っている」という思い込むことで、心にも少しずつ明るさが戻ってきたような気がしました。笑顔の練習が、心のリハビリになっていたのかもしれません。


もちろん、今でも辛いことや不安なことはあります。でも、あの頃とは違います。少なくても「変わりたい」と思った自分のことを、少しだけ好きになりました。そして、あの時一歩踏み出した自分に「ありがとう」と言えるからです。


もし、今のあなたが苦しさの中にいるのなら、どうか少しだけでも顔をあげてみてください。変わるきっかけは、すぐ近くにあるのかもしれません。小さなことでも、自分を信じてやってみること。その一歩がいつか、笑顔へと繋がっていくと思います。